『事例で分かる官民共創』は、官民によるオープンイノベーションである「官民共創」(官民連携を含む)を事例で知るためのシリーズです。
本記事では、京都府とメロディ・インターナショナルと島津製作所による産後うつの発症・重症化を防止する兆候検知技術を紹介していきます。
基本情報
■対象プロジェクト
『産後うつの発症・重症化を防止する兆候検知技術』の実証事業
■主体者
・官側:京都府
・民側:メロディ・インターナショナル株式会社、株式会社島津製作所
■キーワード
産後うつ、HealthTech、Femtech、ウェアラブルデバイス、自治体、オープンイノベーション
■時期
2021年度
■備考
本プロジェクトは、『内閣府オープンイノベーションチャレンジ2021』に認定されたプロジェクトになります
解決したい課題
- 京都府では、出生率が全国と比して低く、かつ、年々低下していた。
- そのため、『子育て環境日本一』と方針を掲げて、誰もが安心して妊娠・出産できる環境整備の一環として、産後うつ等を防ぐ包括的な支援を模索していた。
- 既存の手法(EPDSを始めとした問診・診察)の課題もあり、産後うつの兆候を早期発見してサポートに繋げる本実証プロジェクトの実施が決まった。
プロジェクト内容
実証プロジェクトでは、下記4点を実施し、『産後うつの発症・重症化を防止する兆候検知技術』のニーズ調査やサービススキームを検討していった。
- サービス開発のためのニーズサーベイ
- 妊産婦、医療従事者、自治体、民間事業者を対象に80件以上のニーズ調査。
- ヘルスケア情報交換会
- 学術機関、医療従事者、自治体関係者と意見交換。
- 大学との共同研究準備
- 京都大学、熊本大学との共同研究計画書を締結。
- サービススキーム案策定
共創のポイント
■[官側:京都府]の提供するもの
- 関連する行政現場のヒアリング協力
- ニーズ検証の支援
■[民側:メロディ・インターナショナル、島津製作所]の提供するもの
- ニーズ検証の実施
- 関係者(学術機関、医療従事者、自治体、子育て団体など)へのヒアリング
- サービススキームの検証
共創された価値
実証の結果、「妊産婦が自治体や医療機関に相談するきっかけとなるデバイス」の需要を確かめることが出来た。
2023年末までの共同研究において、妊娠中・産後うつの兆候検知につながる汎用アルゴリズムを構築して、メロディによる2024年度のサービス提供開始を目指すこととなった。
もっと詳しく知る
本事例を更に詳しく知りたい方は、下記参考リンクもご参照下さい。
関連サービス
■HuME(Human Metrics Explorer)™
島津製作所は2020年10月にマルチデバイス生体計測システム「HuME(Human Metrics Explorer)™」を開発しました。「HuME(ヒューム)」は、様々な生体信号の複合解析を基にした「感性価値の創出」を目指すプラットフォームであり、心電デバイスは「HuME」の構成技術の1つです。(PRTIMRSより引用)
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出典・引用
- 内閣府オープンイノベーションチャレンジ2021|内閣府
- 「妊娠うつ・産後うつ」の予兆検知技術の確立へ|PRTIMES
- 複合計測による感性価値の創出へ マルチデバイス感性計測システム「HuME」試用版の提供を開始|島津製作所公式サイト
・編集・デザイン・ライティング:深山 周作