経産省若手の挑戦、平均200名以上が対話から官民協創を生み出す『パブ☆スタ』

霞が関で実際に行われた改革、その知見をシェアし表彰することで更なる改革を促進する目的で開催されたピッチイベント『第1回・意外と変われる霞が関大賞』。

改革派現役官僚有志団体「プロジェクトK」が主催し、審査員として河野太郎氏、WLB代表の小室淑恵氏、千正組代表で千正康裕氏(元厚労官僚)、オブザーバーとして人事院総裁の川本裕子氏などが参加。

その様子を詳細にお届けします。

※本記事は、原則全文書き起こしとなりますが、イベントや話者の意図が一層伝わるように、主催者の了承のもと、一部(事務連絡、言い淀み、繰り返しなど)編集を加えております。
※文中の話者の肩書は、イベント当時のものとなります。また、発言は個人の意見であり、所属する組織に帰属するものではありません。

平均200名以上の参加者が集う官民協創の場づくり

プロジェクトK 4期副代表 栫井 誠一郎(以下、栫井氏):続きまして、パブ☆スタの皆さん、ご準備大丈夫でしょうか。

パブ☆スタ企画チーム メンバー:こんにちは。経済産業省の3年目の有志職員チームです。今日は私たちの取り組みである『パブ☆スタ』についてご紹介させていただきます。

パブ☆スタ企画チーム メンバー:私たちが今日お話ししたいのは、協創です。

協創とは何か。官民の関係者が一つの目標に向けて連携して取り組む新しい官民の関係性です。日本の未来を考えるには、官だけでも、民だけでもダメだと思っています。だからこそ、官民の本当にいい関係性というのが重要になってくると思います。

パブ☆スタ企画チーム メンバー:でも、実際に現実を振り返ってみると国家公務員の志望者が減少していたり、政府の信頼度が低下していたり、そういうニュースばかりだと思います。これでは官民協創ができているとは言えない状況だと思います。

パブ☆スタ企画チーム メンバー:実際、私たちも2年間仕事をする中で民間の人と考えの隔たりを感じたりだとか、腹を割って話す機会がないなと思っています。

だからこそ、私たちは官民が同じ場に集って協創できるような場づくりに挑戦しています。 私たちはまずスタートアップに着目しました。スタートアップとは、革新的な技術やビジネスモデルを有する創業間もない若い企業で、私たちの生活を豊かにしてくれています。

パブ☆スタ企画チーム メンバー:この日本の未来の豊かさに直結するスタートアップは、これからの日本にとても重要な政策課題です。しかし、スタートアップを生み、大きく育てる上で足りないものがたくさんあります。

人材、資金、販路、ノウハウ、それらはどうしたらいいんでしょうか。この答えとなるのが、スタートアップエコシステムです。関係者がこのコミュニティの中で対話、連携し、そしてスタートアップに必要なものを提供する、このエコシステムが不可欠だと思っています。

パブ☆スタ企画チーム メンバー:しかし、行政は(スタートアップエコシステムに)本当に入り込めているのでしょうか。今日来てくださってる皆さんは、霞が関の方が多いと思いますが、この中に起業家の友達が5人以上いるよという方、投資家の友達が3人以上いるよという方、パッと手が挙がりますでしょうか。なかなか少ないんじゃないかなと思います。

パブ☆スタ企画チーム メンバー:つまり、行政がこのエコシステムに入りきれていない。逆に言えば、このスタートアップエコシステムに行政が入ることができれば、もっともっとスタートアップを生み、大きく育てることを加速できるのではないでしょうか。

だから、私たちはスタートアップエコシステムに行政を呼び込み、官民でスタートアップの成長を協創するためにパブ☆スタを行いました。

パブ☆スタ企画チーム メンバー:パブ☆スタではスタートアップが直面する課題について毎回一つ設定し、エコシステムのプレイヤーを一同に集めます。そしてこの写真にあるようにざっくばらんに議論を行いました。

パブ☆スタ企画チーム メンバー:今までに3回やっておりまして、第1回は創薬ベンチャーの資金不足、第2回はテック系ベンチャーの経営人材不足、第3回は世界に挑戦する起業家不足をテーマに行いました。それぞれ平均すると200名以上の参加者が集まって、その場で官民の積極的な議論、つまり協創が行われました。

パブ☆スタ企画チーム メンバー:実際にパブ☆スタに参加した方々からは、「霞ヶ関職員は遠い存在の気がしていたけど身近に感じた」、「行政職員が何を考えてるか分かった」、「これから一緒に頑張りたいと思った」、、、そんな貴重な声をたくさんいただきました。これは、これからの協創の大きな第一歩だと思っています。

パブ☆スタ企画チーム メンバー:しかし、私たちは今回スタートアップをテーマに協創を行いましたが、必要なのはスタートアップだけではありません。

私たちはこの活動をこれから広げていきます。そこで私たちが次にやるのはワカモノからの協創です。このワカモノというのは単に歳の若い者ということではありません。カタカナの「ワカモノ」、心が若い人たちみんながワカモノなんです。

パブ☆スタ企画チーム メンバー:ワカモノには長期的な視点があります。ワカモノは日本の未来の当事者であり、さらにまた雇用の流動化によって今までは一つの企業に勤めてその企業の未来を考えるということだったかもしれませんが、もっともっと広く日本の未来を考える。そんな土壌が募っているんじゃないでしょうか。

またワカモノは新しいことに躊躇わずに積極的に挑戦できる。そんな性質も持っていると思います。だから私たちはまず若者から協創していきます。繰り返しになりますが私たちのテーマは協創です。

官民の協創は日本の未来を作っていくすべてのプロセスにおいて重要だと考えます。

まずは日本の未来を担う私たち若者を中心に、日本の未来を協創する、そんな仕組みを作っていきます。具体的にどんな仕組みづくりをするのか、それを一緒に考えてくださるワカモノを募集しています。

もちろんこれは心のワカモノですので、今日来てくださっている河野先生、小室様、千正様をはじめ、この会場にいる皆様全員からのご連絡をお待ちしております。一緒に省庁を超え、霞ヶ関を超えた本当の意味での官民協創に挑戦していきましょう。

ご静聴ありがとうございました。

栫井氏:ありがとうございました。私の心はワカモノでございます(笑)

では審査員の皆さんよろしくお願いします。河野さんいかがでしょうか。

自由民主党広報本部長 河野 太郎(以下、河野氏):よく改革するには、ワカモノだけでなく馬鹿者とよそ者と3点セットで言われるけれども、馬鹿者とよそ者はどうするのかしら。

そこもいずれ協創していくのかな。

パブ☆スタ企画チーム メンバー:そうですね、多様な視点を、私たちもバカものかもしれないですし、よそ者かもしれないですし。

でも、だからこそ見えるものがきっとあると思うんですね。なので、この既存の考え方、もっと経験を積んだ方々の考え方だけではなく、こうわたしたちで考えてワカモノから協創して、なんかそういうふうに良い未来を作っていけたらなと思っています。

栫井氏:ありがとうございます。続けて小室さんお願いします。

株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長 小室 淑恵(以下、小室氏):質問というよりコメントというか感想というか、、、200名の参加者を毎回集められる集客力そのものがかなり素晴らしいなと思います。

どれだけそういう状態をキープできるか。

外と繋がると中の世界に対してものすごく矛盾を感じるはずなんですね。「外ではこんなに話が通じるのにうちの組織はどういうことだ」と思い、日々憤りが増えるはずですので、そこが私一番の狙いだと思ってまして、外と繋がって何か具体的にやるのも大事なんですけれど、「それにひきかえうちの組織は何なんだ」と思ったときに外とつながる力をテコにして、中を変えるということをやっていただきたいです。

ぜひ、今後の活動の中で追加していただきたいですね 。

パブ☆スタ企画チーム メンバー:ありがとうございます。

先ほどのイベントで各回必ず経産省あるいは文科省の方にも来ていただいたんですけど、省庁担当省の中で議論するテーマの政策分野の管理職の方に必ず参加していただくようにしていまして、その場の議論を実際に決裁権があるというか、変えられる人が省庁から出てきてその場に居ることが何より大事で、協創の第一歩かなと思って取り組ませていただいてます。

栫井氏:千正さんお願いします。

株式会社千正組代表取締役/元厚生労働省官僚 千正 康裕(以下、千正氏):こういう敷居の低い、霞ヶ関とかお客さんにあたる人とちゃんとコミュニケーションを取れる、その人の置かれている環境が分かる場を提供すること自体に価値があると思いますが、実際に何か動かしていくときはその先にどうやってそのイベント等で出会った人同士がさらに取り組みを進める、広がりを持てるかということも重要だと思います。

その辺り、何か実例などあれば教えてください。

パブ☆スタ企画チーム メンバー:まさに私たちもスタートアップのイベントを通して感じているところでして、このイベントは結構オープンな場でやったんですけれども、そのオープンな場だけではなく、場合によってはクローズの場を設ける等によって実際に協創した結果が政策にちゃんと結びつくような仕組づくりをこれからしていきたいと思っています。

栫井氏:ありがとうございました。ちょうどお時間になります。みなさんありがとうございました。

登録して最新情報をチェック

Publingualの無料会員登録、公式Twitter公式Facebookをフォローすることで最新情報をチェック出来ます。

Publingualでは、無料会員の登録をおススメしております。無料会員は以下の会員限定サービスをご利用いただけます。

✉️ メルマガで、新着・注目の記事をお届け!
👀 すべての無料会員限定記事の閲覧が可能!


・記事協力:プロジェクトK
・編集・デザイン・ライティング:深山 周作