【竹中工務店 安藤氏】デジタル技術を活用し、まちの賑わいを創る「アーバンテック®」

クロス・インキュベーションプログラムとは、官民垣根なく集ったメンバーが新しい政策・事業立案を生み出すため、実践の入り口である第0セクターと、官民共創を推進する株式会社Publinkによる、共創プログラム。

プログラムでは、参加者同士で「知の探索」「個社ワーク」「個人ワーク」のサイクルを繰り返し、価値の創造、新規事業人材の育成を目指していく。

そこで立案された政策や事業について参加者から語られました。

※本記事は、原則全文書き起こしとなりますが、イベントや話者の意図が一層伝わるように、主催者の了承のもと、一部(事務連絡、言い淀み、繰り返しなど)編集を加えております。
※文中の話者の肩書は、イベント当時のものとなります。また、発言は個人の意見であり、所属する組織に帰属するものではありません。

デジタル技術を活用し、まちの賑わいを創るアーバンテック®

株式会社竹中工務店 技術研究所 主任研究員 安藤 邦明 氏(以下、安藤):デジタル技術を活用し、まちの賑わいを創るアーバンテック®」というタイトルで竹中工務店の安藤がご説明させていただきます。

よろしくお願いします。

私は、技術研究所に勤務しており、まちの魅力づくりに資する「アーバンテック®」というフレームで技術開発をしている研究者です。

安藤:クロス・インキュベーションプログラムに参加する前に考えていたことを3つ挙げさせていただきます。

1つ目は、ビジネスモデル。このアーバンテックというビジネスフレームを考えている最中でしたので、とてもいい壁打ちのいいタイミングだなと思ったこと。

2つ目としまして、官の方とのコネクションが非常に弱かったので、コネクションを作らせていただける非常にいい機会だなと思ったこと。

3つ目としまして、弊社として初めてこのプログラムに参加したので「実際のところどうなるかわからない」というところがあったものの、「何となく面白そうだな」という感覚を持ったこと。

安藤:「プログラム中に得られた気付き、繋がり」を(スライドに)書かせていただいているんですが、特に取り上げたいのは、この気付きの方です。

今日もいらっしゃる4名のアクセラレーターの方が、毎回毎回、本当に芯を突いたコメントをしてくれて、毎回の講義が非常にテンポがいいんですよね。そうすると、それに呼応するように自分自身が新規事業ができる気になっちゃったみたいな。

その気付きが非常に大きかったです。

繋がりは(プログラムを通して)幾つかある中で、スピンオフ企画として「デジタル街づくりチーム」というのを、今日もいらっしゃる日建設計の西さん等々を含めて企画させていただきました。実際に街づくりに対して、デジタルをどうやって埋め込んでいけばいいのか。そういったものを皆さんとともにディスカッションさせていただきました。

安藤:では、「アーバンテック®事業」についてご説明させていただきます。

※キャプチャ:竹中技術研究所_アーバンテック®Webサイト

安藤:デジタル技術を活用し、街の賑わいをつくる」ということを謳っていまして、、、竹中工務店はゼネコンなので、建物屋さんだったのですが、それだけではなく街の賑わいというものを市民の方やステークホルダーの方と一緒に作っていきたい。

そのための事業を検討しております。

安藤:仮説として、デベロッパーの方や自治体の方にとって、有益なデータやコンサルテーションを提供する事業になっております。

後でご説明を詳しくしますが、実際にデータを分析して、分析した結果を活用フェーズに書かれているようなものに料理をしてご提供する。そのために当社が持つ権利化されたリソースを有効活用していきたいなと考えております。

データで街の動きを可視化する「ソーシャルヒートマップ®」

安藤:では、賑わいってどうやってつくるの?」というところなんですが、「ソーシャルヒートマップ®」というSNSのデータを活用して、「街が今どういう状態なのか」を可視化するツールについてご説明します。

安藤:こちらはSNSの投稿文からポジティブな投稿なのか、ネガティブな投稿なのかといった投稿者の感情度をAIが自動で判別し、推定します。

そうしたポジネガとか、カテゴリとか、属性とか、そういった推定タグを付けて街の状態を可視化します。

SNSからの可視化を質的な話だとすると、人の多さ・少なさという量的なデータと掛け合わせることによって、都市開発のポテンシャルはどこが高いのかわかるようなコンサルテーションによって賑わいを仕掛けられないかと考えております。

実際に協力のお願いとして、我々竹中工務店としましては、困り事のデータを保有しておりません。なので、特に質的なデータとして音楽やファッションのデータ、量的なデータとして購買のデータ。こういったデータを保有している方は(アーバンテック®事業に)ぜひご一緒いただければと思います。

安藤:最後に今後の展望としまして、このプロジェクトを通して学ばせていただいた内容を、社内で新規事業化を進めるというのは、やっていきます。

ただ、それ以外にも何かステップを踏んで新規事業化をするというのが、大企業でもあってもいいんじゃないのかなといったこともプロジェクトを行っている数カ月考えていました。

現在、私が現業支援をしているなかで、新規事業に一足飛びに行くのではなくて、ハイブリッド的な方法を模索するのも良いかもしれないな。これは甘く聞こえるかもしれませんが、そういった視座にも気付かせていただいた非常に有益な研修でした。

株式会社Publink 代表取締役 栫井 誠一郎 氏(以下、栫井氏):安藤さんの理系と文系をオーバーラップする熱量ですね。

ありがとうございました。

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・記事協力:第0セクター
・ライティング・編集・デザイン:深山