霞が関の働き方改革で、日本全体のパフォーマンスを上げる

霞が関で実際に行われた改革、その知見をシェアし表彰することで更なる改革を促進する目的で開催されたピッチイベント『第1回・意外と変われる霞が関大賞』。

改革派現役官僚有志団体「プロジェクトK」が主催し、審査員として河野太郎氏、WLB代表の小室淑恵氏、千正組代表で千正康裕氏(元厚労官僚)、オブザーバーとして人事院総裁の川本裕子氏などが参加。

その様子を詳細にお届けします。

※本記事は、原則全文書き起こしとなりますが、イベントや話者の意図が一層伝わるように、主催者の了承のもと、一部(事務連絡、言い淀み、繰り返しなど)編集を加えております。
※文中の話者の肩書は、イベント当時のものとなります。また、発言は個人の意見であり、所属する組織に帰属するものではありません。

霞が関に改革を奨励しあう文化を生み出す

プロジェクトK 4期副代表 栫井 誠一郎(以下、栫井氏):この「意外と変われる霞が関大賞」は、霞が関で実際に行われた改革をお互いに応援することで、そういった活動を広げていくためのイベントです。

また、聞いてる皆さんにも「霞が関から社会を良くするために頑張っている人がいる」と知って、周りに伝えて頂くことで、こうした取組が更に広がっていくので、ぜひ皆さんもご協力頂けたら幸いです。

我々、プロジェクトKでは、そうしたムーブメントを霞が関全体、日本全体に広げていくため、様々な霞が関の改革について提言をまとめています。

そして、もちろん提言を出して終わりではなく、実行に移していくことが重要なのですが、我々だけでなく、多くの人を巻き込み、同じように取り組んでいる方を応援して、みんな動いていく。

そうした趣旨で今日のイベントも開催しております。

プロジェクトK 4期副代表 栫井 誠一郎(かこい・せいいちろう)

元経産省、株式会社Publink代表取締役社長 2005年に経済産業省入省。経済成長戦略、人材政策、内閣官房(NISC)、生産性向上、研究開発政策、NEDO法改正チームなどで勤務後、官民の両方のキャリアを積み横串として活動する起業家を志し、2011年退職。 以降、システム会社起業、株式会社Zpeer(共同創業、CTO兼CFO)を経て、長年抱いてきた官民共創への思いを形にすべく、2018年6月に株式会社Publinkを設立。官僚数百人との繋がりや信頼関係を強みに官民共創のイベント、コミュニティ、コンサルティング、メディア事業などを推進。 また、官民横断のキャリアが当たり前になるよう、経済産業省OBOG会、霞が関アラムナイネットワーク、Revolver会(霞が関出戻りの会)を立ち上げ、運営。

栫井氏:私も経済産業省の官僚を6年半ほどやって、官と民で未来を一緒につくっていくために「縦割り突破しないと」と、起業して10年くらい経ちます。

官と民をつなぐ活動、株式会社Publinkの代表や官僚のアラムナイを作ったり、様々な活動をしながら、このプロジェクトKでも改革に取り組んでいます。

今日は司会をさせていただきますので、よろしくお願い致します。

ここからプロジェクトKの説明を代表の西山さんにしてもらおうと思います。

霞が関を変えることで、日本を豊かにしたい

プロジェクトK 4期代表 西山 直人(以下、西山氏):はい、プロジェクトKの代表の西山です。オンライン参加で失礼します。現在アメリカに留学しておりまして、本日アメリカのオクラホマシティから参加しています。

プロジェクトK 4期代表 西山 直人(にしやま・なおと)

2013年国土交通省入省。

観光庁、住宅局等での勤務ののち、現在は内閣府で災害対応のデジタル化や災害派遣に従事。
国家公務員として取り組む政策の影響力ややりがいを日々感じていますが、一方で、疲弊していく同僚や、業務のあり方への疑問などから辞めていく職員が絶えない現場に虚しさを感じてきました。また、日々の業務でも、限りあるリソースの使い方が必ずしも効率的でなかったり、単発的な施策に終始し、長期的な視点が持てていないのではと感じることも多く、業務を通じた目の前の課題解決に邁進するだけではなく、そもそもの霞が関のあり方や、国家公務員一人一人の働き方・能力の向上について俯瞰的な視点で考えていかないといけないと思い、プロジェクトKに参加しています。

西山氏:みなさま本日は休日にもかかわらず、ご参加誠にありがとうございます。

また、河野先生、小室様、千正様、川本総裁、本日は大変お忙しい中にも関わらず、審査員、オブザーバーお引き受け頂き誠にありがとうございます。

イベントの前にプロジェクトKについて、ご紹介させていただきます。

プロジェクトKは、今から20年前に創設された団体です。

メンバーも若手というより、上の世代にも下の世代にも、共感でき、繋げていけるように中堅世代を中心に、代替わりも重ねながら継続的に活動を行っています。

過去にも書籍の出版など様々活動しているんですが、根底にある考えは変わっておらず、「霞が関で働く国家公務員の方々の能力、やる気を高め、ひいては日本という国をどう豊かにしていうか」だと思っています。

そのために「一体何が課題なのか」、「どうすれば問題を打破できるのか」を考えて、勉強会を定期的に行ったり、それを踏まえた提言を出すといった活動を行っています。

直近では、官僚の留学制度の改善を求める提言を人事院に提出させていただきました。ただ、現状が示すようにまだまだ不十分な部分も多いと思います。

一方、プロジェクトKや各省庁で行っている取組がいっぱいあるのに、それを知られていない。だったら、そういった素晴らしい事例を共有することで、もっと前向きな流れを作れるんじゃないかということで、今回の「意外と変われる霞が関大賞」のイベントを立ち上げました。

今回は6省庁と2つの有志団体にエントリーいただいております。どれも素晴らしい前向きな取組だと確信しています。 

長々とお話しさせていただきました。皆さん最高のイベントにしていきましょう。以上、アメリカからお届けしました。

栫井氏:はい、オクラホマの西山さんどうもありがとうございました。素晴らしいコメントでした。

はい、続きまして審査員のご紹介に入りたいと思います。今日は、素晴らしく豪華な3人の審査員の方々にお越しいただいております。

簡単にご紹介させて頂きますので、お手元のマイクでこの一言だけよろしくお願いします。

まず、河野太郎さん。皆ご存じ自由民主党の広報本部長で、いままで様々な大臣を歴任され、ツイッターでも240万人以上フォロワーもいるなど、ネットでも有名人で、霞が関の改革を最も熱心に推進されている方の一人なんじゃないかなと思います。

なので、今日ピッチする官僚の方々の心強い応援団になるんじゃないかなと思っています。河野太郎さん どうぞよろしくお願い致します。

自由民主党 広報本部長 河野 太郎(以下、河野氏):よろしくお願いします。

自由民主党広報本部長 河野 太郎(こうの・たろう)

ジョージタウン大学(比較政治学)卒業後、富士ゼロックス、日本端子を経て1996年に衆議院議員に初当選(神奈川県15区)。外務大臣、防衛大臣、規制改革・行政改革担当大臣、新型コロナウィルス感染症ワクチン接種推進担当大臣などを歴任。自身のTwitterアカウントは240万人以上のフォロワーを持つ。元湘南ベルマーレ取締役会長。2021年より現職。

栫井氏:続きまして、株式会社ワーク・ライフバランスの代表取締役社長で小室淑恵さんになります。

小室さんは2006年にワークライフバランスを設立され、1000社以上の官と民の組織に対して働き方改革コンサルティングをされています。霞が関の働き方改革でも、非常にパワフルに行動して風を起こしていただいています。

株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長 小室 淑恵(以下、小室氏):はい、全力で審査させていただきます。よろしくお願いします。

株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長 小室 淑恵(こむろ・よしえ)

資生堂を経て2006年に株式会社ワーク・ライフバランスを設立。1000社の企業・国土交通省・内閣府・環境省・経済産業省・海上保安庁・多数の自治体の働き方改革コンサルティングを行う。
「霞が関の働き方改革を加速するための懇談会」座長や、産業競争力会議 民間議員など公務も多数歴任。2004年「日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2004」、2014年ベストマザー賞(経済部門)受賞。2児の母。

https://work-life-b.co.jp/topmessage#result

栫井氏:3人目は、株式会社千正組の代表取締役社長である千正康裕さんでございます。

厚生労働省で2001年から2019年まで所属し、その後に千正組を設立されて、官と民の橋渡し、政策提言活動、そして書籍の執筆もしています。

書籍のタイトルは、「ブラック霞が関」や「官邸は今日も間違える」など、刺激的ですが、めちゃめちゃいいことが書いてあって、大変お勧めでございます。

千正さん、よろしくお願い致します。

株式会社千正組代表取締役/元厚生労働省官僚 千正 康裕(以下、千正氏):「明るく、意外と変われてる」という話を聞けるのを楽しみにしています。

よろしくお願いします。

株式会社千正組代表取締役/元厚生労働省官僚 千正 康裕(せんしょう・やすひろ)

1975年生まれ。慶應大学法学部卒。2001年厚生労働省入省。医療、年金、子育て、働き方、女性活躍などの分野で8本の法律の立案に携わる。秘書官や在インド日本大使館勤務も経験。医療政策企画官として医師の働き方改革を担当した後、2019年9月末に退職。2020年1月に株式会社千正組設立。企業、民間団体のコンサルティングにより、政策と現場の橋渡しに取り組むほか、政策などを一般の人に伝えるためメディア出演などをしている。朝日新聞デジタルコメンテーター、m3連載。内閣府、環境省、厚労省関係の有識者会議委員も務める。著書に「ブラック霞が関」「官邸は今日も間違える」。

栫井氏:審査員の方々は以上になりますが、オブザーバーとして、人事院総裁の川本様にも今日会場にお越しいただいています。

どうぞよろしくお願い致します。

この後、8チームが各5分でピッチをしていきます。

その後3分間、審査員の方々と質疑応答して、その後にオンライン投票のURLも配布致しますので、審査員および視聴頂いている参加者の方から8チーム中2つまで投票していただきます。

そして、審査員の方々と皆様の投票の総合1位でグランプリを決めさせていただきます。また、グランプリ以外にも各審査員賞の合計4つの表彰をしていきます。

なお、グランプリの受賞チームの方々には今後のご活動をプロジェクトKのメンバーが全面バックアップしていきます。

今日の採点基準は、大きく3項目あります。

まず1つは「課題の具体性・重要性」。そもそもお題の内容がイケてるかどうか、ちゃんと具体的であるか、横展開できるか、うまくいったら本当に将来横展開していけるのか、そういったテーマ設定や課題の内容自体がイケてるか。

2つめが「実効性」。ソリューション、打ち手がちゃんと正しいかっていうことですね。これまでに実際成果をあげていたかとか、そのやり方だと確かにうまくいきそうであるなどです。

最後に「熱意」。行政では、淡々とミスなく喋ることが多いですが、今回は「共感を呼んでみんなで輪を広げる」ということも重要なので、取組の熱意とかプレゼンの熱さを聞いてる人たちに伝播していくことも、ものすごく大事になってきますので、あえてこういった項目を設けさせていただいてます。

ぜひ、ピッチされる皆さんも、自分もワクワク、聞いてる人もワクワクみたいな感じで全力で喋っていただきたいと思います。

全8チームの発表テーマ

本ピッチに参加した8チームの発表内容の全文文字起こしも順次公開していきます。

上記バナーから、全8チームの発表をチェック
  1. 農林水産省の組織力フル発揮に向けて|農林水産省大臣官房秘書課
  2. 意外と変われ『て』る!ボトムアップで切り拓く文部科学省改革|文部科学省職員有志
  3. 統計データ利活用センターにおける業務見直しのチャレンジ|統計データ利活用センター一同(総務省)
  4. 中途採用をきっかけに多様な人材が新しい社会を創り出す霞が関へ|ソトナカプロジェクト(有志)
  5. 自らの想いを起点に政策立案を行う実践の入り口 第ゼロセクター|第ゼロセクター(経済産業省・有志)
  6. 霞が関に閉じない政策協創への挑戦|パブ☆スタ企画チーム(経済産業省・3年目有志職員)
  7. 変えたい!国土交通省におけるワークスタイル改革|国土交通省働き方改革推進室及び各局
  8. 環境省の働き方改革〜多様なアプローチで意外と変われる?〜|環境省職員有志

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・記事協力:プロジェクトK
・編集・デザイン・ライティング:深山 周作