【古川康 元佐賀県知事】「いろいろ面白いことやっている」が、次の官民連携を生み出す。

官僚のバックグラウンドを有し、佐賀県知事を経て、現在は国政に進出している古川議員。そんな古川議員に、地方の官民連携における各アクターの役割を司法修習生の瀧本が伺っていく。

1.政治家の役割は判断すること

元佐賀県知事 古川議員(以下、古川):瀧本さんは司法修習生で、これから弁護士になるんだね。

行政の仕事は法的な問題が多いので、僕が佐賀県知事をしていた時、弁護士に県庁へ入ってもらって、法務部みたいな感じでやってもらっていたんですよ。

それまでは、法的な問題であっても、基本的に職員が各自で考えて上司と相談して・・・みたいなことをやっていたんだよね。従来こうやっていたから、とか、あの人とこの人と仲が良いからあの人に頼んで処理してもらおうとか、そんな感じで。

だけれども、僕が知事になってからは、法的な問題についてはそれじゃ片付かないだろうと。それで、とにかく弁護士に相談するっていう癖をつけさせようとしたのよ。

司法修習生 瀧本(以下、瀧本):佐賀空港への自衛隊機配備の件でも、漁協との協定を改定できるかといった話を、弁護士さんに相談なさったんですよね。その弁護士さんというのは、非常勤公務員のような形で、県庁として弁護士を雇ったんですか。

古川:あれは、顧問弁護士ですね。

とある佐賀の地元の法律事務所に顧問になってもらって、とにかくしょっちゅう弁護士に相談しましょうと、庁内で呼びかけて。

そしたら、弁護士事務所からは、1件あたりの値段が安いのに忙しくなって困るって、苦情を言われてね(笑)。

協定を改定するっていう話も、オスプレイへの賛成/反対は別にして、かつて決めたことを、今を生きている人達が変えられないのか法的にはどうなのかと、何人かの弁護士に聞いてみてさ・・・。

瀧本:なるほど・・・でも、法律論としては改定はできるだろうと分かるわけですが、住民の皆さんの想いなど感情的な部分が出てくると、なかなか難しいですよね

古川:そうそう、だから、その当時の人達が、なぜその規定を入れたのかっていう部分を、なんとか汲み取ろうとしたよね。

その協定の名前が、公害防止協定というのだけれど、当時は公害問題が各地で起きていて・・・自衛隊がやってきて有明海に変な排水が流れ込んできたらどうするんだっていうような声もあって。当時の当事者は、それを真剣に心配したし、当時なら心配して当然だったわけだよね。

瀧本:ただ、当時の古川先生としては、それを変えることだってあり得ると考えたんですよね。

古川:それはね、状況が変わったとき、今を生きる当事者が話し合って規定を変えるなんていうことは、普通にあり得ることだと考えたよね。

それに、知事の仕事として最も重要なのは、物事を判断して決めることだからね。それが、皆さんに選んでもらっているということの意味だし、責任だから。その時々の状況に応じて、責任をもって判断しなければ、と思いました。

2.ロマンシングサガ×佐賀県コラボに見る”挑戦が、挑戦を生む”組織

瀧本:元知事として、共に県庁を支える役人には、どういった役割を期待していましたか。

古川積極的に挑戦をして欲しい、と感じていましたね。

決めるのは僕で、責任は僕が取ります。

「こういうことやったらどうだ」っていう提案があがってくるのは、その判断をするのが僕の仕事でもあったので、とても嬉しいことです。

むしろ、「何もやらずに、問題が無ければそれが一番良い。」みたいな感じにされると、判断の材料もなく非常に困る

例えば、僕が知事をやっていた10年目ぐらいの時に、スクウェアエニックスという会社、ロマンシングサガというゲームを作っている会社があるんですよ。そこからね、県庁に電話がかかってきて、佐賀県と何かコラボできないかって。

それがね、最初は、観光協会に電話をかけてきたらしいのよ。で、その電話を取ったバイトの職員さんがピンと来て、これはちゃんと対応しなきゃダメだと思ったらしいんだ。

それで、その職員さん気を利かせて、「うちの広報から電話させますから」みたいな感じで広報に繋いで、広報もちゃんと対応して・・・。

そういう経緯で、ロマンシングサガと佐賀県とがコラボして、一緒にゲーム作ったりとか、そういう企画に繋がっていったんですよ。

画像引用:ロマンシング佐賀2020の公式サイトキャプチャ

古川:実は、スクウェアエニックスは、その10年くらい前にも、同じようなことを考えていたんだって。佐賀県とコラボしたらどうかって。それで、その時も県庁に電話したらしいのだけれど、その時は「は?」で終わったんだって(笑)。

瀧本:再チャレンジしてきてくれたわけですね!

古川:そうそう!スクウェアエニックスが、もういっぺん電話をかけようと思ったのは、「今の佐賀県、いろいろ面白いことやっているね」っていう感じだったからなんだって。実際、AKBの「恋するフォーチュンクッキー」を最初に踊った役所は佐賀県だったし、そういう感じで、何かいろいろ他と一緒にコラボして面白いことやっていこうというのが、職員の雰囲気としても共有できていたわけですよね。

古川:だから、「何か問題あったら嫌だなぁ」ではなくて、新しい事柄が出てくる芽を逃しちゃいけない、そういうポジティブな対応で県庁へあげてくれる職員が、現場レベルで居てくれたと。

現場の人間が、何か新しいセンスや新しい気持ちを持って第一線で対応してくれて、新しい提案をしてきてくれると、責任者側としては、すごく嬉しいんですよ。

瀧本:判断するための材料が、それだけあがってくるということですもんね。

判断の材料さえあがってこなかったら、その判断もできないですもんね。

3.官民連携の秘訣は”やれない理由探し”から”やれる方法探し”へのシフト

古川:他にも、早稲田の系属校で早稲田佐賀っていうのがあるんだけれど、僕が知事だった時に早稲田の学長から提案を受けて、(建校が)実現したんですよ。それが、以前にも佐賀県へ同じ提案をした時は、「よか話ですなぁ、頑張らんですか、協力はしますよ。」と言われたらしいんだよね。

これは、僕も政治家なので分かるのだけれど、そういう言い方っていうのは基本的に、突き放しているんだよ。「あなた達が頑張ってやってね、何か協力してくれと言われれば県政としても協力しますがね。」という感じ。

僕は、その話を聞いてすぐに、「それは面白い話ですね、分かりました。それは、何をすれば実現できますか、ネックになってくるのは何ですか。」と尋ねたんだよ。

そしたら、学長は、「そんなに関心を持ってくれてありがたい」と、とても喜んでくれて・・・。あとは、ネックになる部分や課題を県の担当者と共有しながら進めていった。

瀧本:どんな課題があったんですか?

古川:最初、佐賀市内に造ろうとしたら、佐賀市内には既に私立の学校がいくつかあって、そことの関係で不公平なんじゃないかみたいな話があって。

でも、唐津市内には私立の学校が無かったので、唐津市と組めばそういう点もクリアできるんじゃないかとなって。

瀧本:役所としても、何とかしてできる方向で、ネックになるところを突き止めて、「こうやったらできるんじゃないか」っていう方法を探っていくということですよね。そうやって、民間側のやりたいことを実現できるような環境を整備してあげるということですよね。

古川:そうそう!

そうやって、地方自治体側も主体的に参画して、実現したんですよ。最初に話を持ってきてくれたのは早稲田なんだけれども、そこに積極的に佐賀県も唐津市も協力していくんだ、連携していくんだ、という姿勢を見せてね。

官民連携と言えば、僕が知事やっていた時、佐賀未来創造基金というものを始めたんですよ。それは県庁の外に作ってあって、民間で運営してもらっているのだけれども、それを作る時、僕は言ったんですよ。

「これまで行政だけが独占していた公益というものを、これからは行政以外の人達と分け合う時代が来る。」と。民間団体の中にも公益的な活動をしている人も沢山いらっしゃるのだから、そういう人達と手を組んで、一緒にやっていくんだと、それを県政の柱に置いたんですよ。その時は、「県民協働」という名前でね。

それで実際、佐賀県は当時、県民協働というか官民連携の分野では、非常に先進的なことをいろいろやっていたんですよ。

4.行政の力学を理解することで官民連携が進む

瀧本:官民連携について、ここまでは、官側からの視点で、お話を伺ってきました。逆に、民間側・事業者側は、どんな役割を果たしたら良いと思いますか。

古川:ロマンシング佐賀のケースみたいに、一緒にコラボしてやっていこうという構造のときに関して言えば、面白くて行政や地域にとって効果やメリットが見えやすい提案だと行政側も組みやすいよね。そして、それによって何を実現したいのか、という想いを明確にして欲しい。

そういった材料があると、行政側も「壁」を越えやすくなる

瀧本:県としても出費があるわけで、それは議会を通さないといけないですもんね。

古川:そう、議会を通さないといけない。

ちなみに、県庁として乗り越えないといけない壁は2つあって、一つは、「庁内の壁」ですよね。知事もそうだけれど、財政当局によるチェックみたいなものもあるから。

その上で、「議会の壁」もあるのだけれど、いずれにせよ、事業者側の想いと県庁の期待する政策的な効果とが、上手いこと合致したときに、コラボっていうのは実現するんだろうと思うんですよ。

瀧本:コラボすること自体のメリットというのもありますか?

古川:企業の方々と一緒に仕事をやっていると、何か事業をやるときに費用対効果とかどんな成果が見込まれるかとか、そういうのを数字的にイメージするようになるんだよね。これをやって、全国的にこれだけ反応があれば、これだけ投資しただけのことがあるな、っていう。

その点、役所は、こういう成果があればやった甲斐がありますっていうような判断の仕方をしないんだよね。行政とか政治って、費用対効果というよりは、「べき」論でやっていかないといけない部分もあるから難しい・・・。

瀧本:そういう、行政とか政治の、定量的に進めていくのが苦手な部分を、民間と一緒にやったり連携して進めていったりすることで、より実効的で効果の見やすい施策を打てるようになる、というメリットもあるんですね。

5.地方自治体と国でのアプローチの仕方の違い

瀧本:プロジェクトの進め方について、国と地方とで違うところってありますか

古川:お金の出方が、国の場合だと少し違うかな。

国の財務省と地方自治体の財政課の違いは、やっぱり県の財政課というのは知事を見ているので、「知事と話したらこれやりましょうとなりました」と言えば、なんとかお金はついてくる。

いくらか、っていうのは別にしてね。

でも、国の財務省の場合は、「岸田さんがデジタル田園都市構想って言っています」といくら説明しても、前向きな返答はそんな簡単には返ってこないわけですよ。

やっぱりそこは、一元的なリーダーである知事の場合と、国会議員の中から選ばれる総理大臣という存在の違いはありますよね。直接的な統治っていうのは、やっぱり地方自治体の首長の方がやりやすいかな。

6.官民連携に馴染まない領域での可能性:許認可行政と利害調整機能

瀧本:今、お金の話が出てきました。たしかに、「お金を出す」というのも官民連携の中で重要な部分ですが、お金以外の面では、どういう形の連携が考えられるでしょうか。

とりわけ、再エネを進めていきましょうとか、公共事業・まちづくり・再開発をやりますとか、そういう許認可行政の分野においても、行政が主体的に関与していった方が良いのでしょうか

古川:あるプロジェクトを、その自治体が「やりたい」という意思を持って、主導してやろうとしているケースと、他方、事業者が主導して、その場所を舞台にしてやりたいと思っているケースとでは、自ずから自治体の立ち振る舞いも違ってくるんじゃないのっていう気がするかな。

多いのは、後者のケースだよね。それは、ロマンシング佐賀みたいな感じで一緒に何か面白いことをやるという形に比べると、第三者の権利を制限してしまう可能性といった問題も出てくるし、あくまで事業者側が主導して進めていく事業で行政は許認可を出す立場というような場合には、申請先である行政とのコラボというか官民連携っていうのは、なかなか難しいのかもね。

瀧本:許認可行政の文脈になると、やはり官民連携っていうのは馴染まないんですかね・・・。

古川官民連携と言うからには、官も民も同じ方向を向いていないといけないからね。許認可のときって、行政側は民のやろうとしていることが大丈夫なのかをチェックするわけで、向いている方向が逆だから・・・。

そこが、開発する側と一緒のベクトルになると、ブレーキが効かなくなってしまうという懸念があるよね。

瀧本:それこそ官民が同じ方向を向いてということでいうと、2050年カーボンニュートラルという政策目標に向けて地熱発電所を作りましょうというケースが想定できますよね

そういうケースで、私がイメージしていたのは、温泉事業者の方々が心配して反対しますよねとなったときに、事業者が開催する説明会などの運営を手伝ってあげたりとか、政策目標に関する資料を事業者と温泉事業者の双方に配布したりとか、何かあったときの補償のために保険会社を斡旋してきてあげたりとか、そういう議論や交渉をする場のセッティングやコーディネートみたいなものなんですけれども・・・。

瀧本:先ほど、県庁で顧問弁護士をつけていたっていう話がありましたよね。

よく、弁護士とか信託銀行とかが、株主総会の運営をやるっていう話があると思うんですけれども、株主総会の運営と似たような感覚で、説明会や公聴会の運営を県庁の顧問弁護士が担当したりとか、あとは、温泉事業者の方々と発電事業者の交渉の場に第三者的な立場で県庁の顧問弁護士が立ち会ったりとか、そういうのがあると、利害調整や説明や交渉が円滑に進むんじゃないのかなぁ、と思うんですよ。

古川:面白いね、すごく良いと思いますよ。

瀧本:そういう形で、政策目標に沿う様々なプロジェクトを、事業者と一緒に、それでいて住民の理解も得つつ・・・みたいな形で利害調整をしていくっていう、そこに人員を派遣したりとか、弁護士・コンサル・保険会社を斡旋してコーディネートしたりとか、そういうことを、役所がやれば良いんじゃないかなと思っているんですけれども・・・。でも、実際あまり、そういう例が見当たらないとなると、どのへんがネックなのかなぁと・・・。

古川:おそらく、それを推進する存在が無いんじゃないかな。

というのは、例えば、どこかの弁護士事務所がそれをやろうとすると、それなりの体制を整えなくちゃいけないでしょう。それって、結構、大変。

ちなみに、そういうチーム組成って、広告代理店がやってくれることもあるんだよねただ、そうやってチーム組成するっていう場合に、問題だろうと思うのは、弁護士っていう結構な人間を、そのプラントを造る前後の結構な長期間はりつけなくちゃいけなくて、それが大変なんじゃないかな。

実はそれって、役所だったらできるんだよね。

役所だったら、何か大きなプロジェクトがあるっていうときに、そのために人を集めてチーム作って、その仕事が終わるまで3年くらい人員をはりつけるっていうような、ロングレンジのチーム組成には慣れているので・・・。

瀧本:そういう、第三者的に利害対立者間に入って円滑に物を進めていくチームを組成するという役割を、役所が担えると良いんですかね。

古川:やっぱり、役所からすれば、やりたいと言っている事業者さんの方で、説明や説得などはしてくださいね、というのが基本だよね。

ただし、それが地域にとって必要な設備や施設で、自治体トップが「分かりました」って言ったなら、その瞬間から自治体はそれを推進する側に回るんだよ。だから本当は、そこから先は自治体が、反対していたり不安に思っていたりする住民の皆さんを説得する側に回らないといけないんですよ。

でも、そのときに、そういう説明を自分達でやらずに、弁護士やコンサルのチームにやらせるっていうことだよね。それこそ、反対意見などが出たときに、それを法的に整理していただいて、「今日出た意見の中で、この意見とこの意見はこれで対応できていますよね。」「ここは要検討ですね」みたいな形でやってもらえたら、それは、行政としてはとてもありがたい。

ただね、そもそも、どうして自分達でやらないんだっていう話で・・・住民の皆さんと信頼関係を作っていくところから難しいよね。

7.「もし木材の利用を促進したかったら・・・」:能動的な行政が必要になる時代

瀧本:ところで、古川先生のFacebookを拝見していたら、木材利用の促進に関する投稿があったんですけれども、そういうのを支援していこうと思ったら、どういった取組みが考えられるんでしょうか。

古川:まず、役所が発注するいろんなものを木材を使ったものにする。公民館とか体育館とか、いろんなものを木で造る。

あとは、林道を整備して、高性能林業機械を入れられるようにして、木をより効率的に切り出せるようにする。それによって、コストを下げる。

あとは、バイオマス発電所を造る。

瀧本:そういうのって、「応援します」っていう言葉だけじゃ、だめですよね。行政には、どのような役割が期待されるんでしょうか。例えば、林道を整備するとなったら、お金を出すことになるので、そのために議会を通したり・・・そのくらいでしょうか。

古川:普通の役所だと考えるとね、言ってくるのを待つと思う。

例えば、木を切り出している業者さんや山を持っている人が、林道を整備して欲しいと思ったら、それを議員を通じてとか町長・市長を通じてとか、あるいは地域の団体が役所に行って陳情するとか、そういったことを待つんだろうと思う。

瀧本:だけれども、今後は、現場レベルでも役所の側から主体的・能動的に、「行政には何をして欲しいですか」と声を掛けていくといったことが、求められていくんですかね。

古川:うん、そうだね。

例えば、地域の課題として、そのへんに間伐材が捨てられているといったときに、それを見た役人が気を利かせて、「これをここから運び出すのもコストかかるし、これを使ってここで発電しちゃった方が良いんじゃないだろうか。」みたいな形で、思いついてくれると嬉しいよね。

8.正解の分からない時代だからこそ、挑戦を。

瀧本:そういう行政や役人の能動的な姿勢について、同じように考えている首長の皆さんは、どのくらい日本にいらっしゃるんでしょうか。

今日の冒頭で、どんどん職員から能動的に判断材料をあげてきて欲しいという話があったと思います。他方、あんまり変なものあげてくるな、というリーダーもいるんだろうと思うんです。それはそれで、一つのリーダー論というかマネジメントの仕方として、あり得る話で・・・。そこで伺いたいのですが、前者の考え方のような首長さんって、どのくらいいらっしゃるんでしょうか。

古川:どこの組織でもそうだけれども、そういう、エッジが効いていて、その人が次の時代を創っていくみたいなタイプの人って、残念ながら、だいたい2割くらいなんじゃないかな。

瀧本:そういうのって、2:6:2みたいな形って言いますもんね。

古川:自分の選挙区の首長さんを一人ひとり思い浮かべてみると、皆さん、新しい提案を拒否するという人は居ないような気がするけれど、いかんせん、皆が全ての事柄に関心を持っているわけじゃない。皆さんそれぞれ、政策に優先順位をつけなきゃいけないし、自分の得意分野っていうのもあるし、その中で、どうしても乗り気になれない場面っていうのも考え得るよね。

瀧本:なるほど・・・それでも、仮にとある自治体の首長さんが、言わば消極的な考え方の首長さんであったとしても、現場の人間から、どんどん能動的に上へアイデアや提案などをあげていって欲しいなと思いますか。

古川:それはそう!

だってさ、今ってもう、先輩達も正解が分からない時代なんだよ。

昔は、こうすればこういう答えになって、というのが結構あったんだよ。

でも今やもう、例えば、SDGsだって2030年までの概念だよね。そしたら、その先、何が社会の目標になっていくのかって、分からない。そんな時に、60や70になるような人達が、答えを持ち合わせているわけがない。

だから、そうやって若手の皆さんや現場の皆さんから判断材料をあげてきてもらえないと、首長はきっと困ると思うし、たとえ「変なのあげてくるな」という考え方の首長であっても、実際そういうのが現場からあがってくれば助かると思うよ

なのでぜひ、現場の皆さんには、能動的に果敢に現場の声を上にあげて、提案していって欲しいなと思います。

(取材協力:衆議院議員 古川康 氏、ライター:瀧本 悠貴、編集:深山 周作)

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